証券会社の分別保管に関する内閣府令

(平成十年十一月二十四日総理府・大蔵省令第36号)

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最終改正:平成一六年一月三〇日内閣府令第3号

(最終改正までの未施行法令)
平成十六年一月三十日内閣府令第3号(未施行)
 

 金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律(平成十年法律第107号)の施行に伴い、並びに証券取引法(昭和二十三年法律第25号)及び証券取引法施行令(昭和四十年政令第321号)の規定に基づき、並びに同法及び同令を実施するため、証券会社の分別保管に関する命令を次のように定める。

(適用除外有価証券)
第1条  証券取引法(昭和二十三年法律第25号。以下「法」という。)第47条第1項に規定する内閣府令で定める有価証券は、次の各号に掲げる有価証券とする。
 法第47条第2項の規定により分別される有価証券
 契約により証券会社が消費できる有価証券

(確実にかつ整然と保管する方法)
第2条  法第47条第1項に規定する内閣府令で定める方法は、次の各号に掲げる有価証券の区分に応じ、当該各号に定める方法とする。
 証券会社が自己で保管する有価証券(混蔵して保管される有価証券を除く。次号において同じ。) 法第47条第1項の規定により証券会社が自己の固有財産と分別して保管しなければならない有価証券(以下「顧客有価証券」という。)の保管場所について自己の固有財産である有価証券その他の顧客有価証券以外の有価証券(以下「固有有価証券等」という。)の保管場所と明確に区分し、かつ、当該顧客有価証券についてどの顧客の有価証券であるかが直ちに判別できる状態で保管する方法
 証券会社が第三者をして保管させる有価証券 当該第三者において、顧客有価証券の保管場所について固有有価証券等の保管場所と明確に区分させ、かつ、当該顧客有価証券についてどの顧客の有価証券であるかが直ちに判別できる状態で保管させる方法
 証券会社が自己で保管する有価証券(混蔵して保管される有価証券に限る。次号において同じ。) 顧客有価証券の保管場所について固有有価証券等の保管場所と明確に区分し、かつ、当該顧客有価証券に係る各顧客の持分が自己の帳簿により直ちに判別できる状態で保管する方法
 証券会社が第三者をして保管させる有価証券 当該第三者における証券会社の顧客のための口座について自己の取引のための口座と区分する等の方法により、顧客有価証券に係る持分が直ちに判別でき、かつ、当該顧客有価証券に係る各顧客の持分が自己の帳簿により直ちに判別できる状態で保管させる方法(外国の第三者をして保管させる場合のうち、外国の法令上当該第三者をして顧客有価証券に係る持分と固有有価証券等に係る持分とを区分して管理させることができない場合その他当該第三者において顧客有価証券に係る持分が直ちに判別できる状態で保管させることができないことについて特にやむを得ない事由があると認められる場合にあっては、当該顧客有価証券に係る各顧客の持分が自己の帳簿により直ちに判別できる状態で保管させる方法)
 証券会社と顧客とが共有しており、前項第1号から第3号までの規定の定めるところにより保管場所の区分ができない有価証券については、これらの規定にかかわらず、各顧客の持分が自己の帳簿により直ちに判別できる状態で保管しなければならない。

(顧客分別金の対象となる金銭又は有価証券)
第3条  法第47条第2項に規定する内閣府令で定める金銭又は有価証券は、次の各号に掲げる金銭又は有価証券とする。
 証券業に係る顧客との取引に関して顧客の計算に属する金銭(信用取引(法第156条の24第1項に規定する信用取引をいう。以下同じ。)に係る有価証券の売付代金である金銭であって、当該信用取引につき証券会社が当該顧客に供与した信用に係る債権の担保に供されているものを除く。)
 証券業に係る顧客との取引に関して顧客から預託を受けた有価証券及び顧客の計算に属する有価証券のうち、法第47条の2第1項の規定により担保に供されたもの(契約により証券会社が消費できる有価証券を除く。)

(顧客分別金の額の算定)
第4条  法第47条第2項に規定する顧客分別金の額は、顧客ごとに算定し、その算定の対象となる同項に規定する金銭の額及び有価証券の時価(市場相場のあるものについてはその日の最終価格(当該最終価格がないときは、法第67条第1項に規定する証券業協会が公表する気配相場(国債の場合に限る。)又はその日前における直近の日の最終価格とする。以下同じ。)とし、市場相場のないものについてはその日の公表されている最終価格又はこれに準ずるものとして当該証券会社が合理的な方法により算定した価格とする。以下同じ。)を合計した額とする。
 証券会社が顧客に対して有する有価証券の買付代金の立替金に係る債権の額については、当該買付けに係る有価証券が法第47条の規定により分別保管がなされている場合には、前項の合計額(当該顧客に係るものに限る。)の算出に当たっては、控除することができる。
 第1項に規定する顧客ごとの顧客分別金の額の算出に当たっては、証券取引法第161条の2に規定する取引及びその保証金に関する内閣府令(昭和二十八年大蔵省令第75号。以下「信用取引府令」という。)第7条第1項各号に掲げる額のうち当該顧客の信用取引に係るものの合計額を控除することができる。ただし、当該合計額が当該顧客の信用取引に係る受入保証金(信用取引府令第2条の2第1号に規定する受入保証金をいう。)として預託された金銭及び有価証券に係る顧客分別金の額を超える場合は、当該顧客分別金の額を限度とする。
 前項の合計額の算出に当たっては、信用取引に係る有価証券の相場変動に基づく損益は、信用取引府令第7条第3項の規定にかかわらず、当該有価証券の約定価額とその日の時価により評価した価額との差損益とする。
 第1項に規定する顧客ごとの顧客分別金の額の算出に当たっては、証券会社に関する内閣府令(平成十年総理府・大蔵省令第32号)第30条第2項第2号ロ又はハに掲げる取引に係る契約により当該顧客が担保に供した金銭の額を控除することができる。
 証券会社が、信用取引につき顧客に貸し付ける金銭又は有価証券(以下「特定金銭等」という。)を調達するため、当該顧客から預託を受けた法第161条の2第2項の規定により同条第1項に規定する金銭に充てられる有価証券(以下「信用取引保証金代用有価証券」という。)を、証券金融会社又は当該証券会社と取引(法第2条第25項に規定する有価証券等清算取次ぎ(同項第1号に係るものに限る。以下単に「有価証券等清算取次ぎ」という。)の委託者として当該有価証券等清算取次ぎを行うものを代理して取引を成立させる行為を含む。以下同じ。)を行うその他証券会社(外国証券業者に関する法律(昭和四十六年法律第5号)第2条第2号に規定する外国証券会社を含む。以下「母店証券会社」という。)若しくは当該証券会社から有価証券等清算取次ぎを受託した者(以下「母店証券会社等」という。)に担保として提供する場合において、次の各号に掲げる要件のすべてを満たすときは、当該信用取引保証金代用有価証券の時価は、第1項に規定する有価証券の時価の算出に当たっては、当該有価証券の時価に算入しないものとする。
 当該証券会社と当該証券金融会社又は当該母店証券会社等において、特定金銭等を調達するため当該証券会社が当該証券金融会社又は当該母店証券会社等と行う取引(以下「調達取引」という。)の管理については、当該証券会社が当該証券金融会社又は当該母店証券会社等と行うその他の取引(以下「非調達取引」という。)の管理と明確に区分されているとともに、調達取引が母店証券会社等と行われる場合にあっては、当該母店証券会社等において各顧客に係る調達取引の管理が明確に区分されていること。
 調達取引において当該証券金融会社又は当該母店証券会社等に担保として提供された信用取引保証金代用有価証券(以下この項において「特定代用有価証券」という。)の所有権が当該顧客に留保されているとともに、当該証券金融会社又は当該母店証券会社等において当該特定代用有価証券の管理が非調達取引に係る有価証券の管理と明確に区分されており、かつ、当該証券会社(調達取引が母店証券会社等と行われる場合にあっては、当該母店証券会社等を含む。)において顧客ごとの所有に係る特定代用有価証券の種類の別及び数量が帳簿により明確に判別できること。
 当該証券会社と当該証券金融会社又は当該母店証券会社等において、当該証券会社が調達取引において当該証券金融会社又は当該母店証券会社等から調達した金銭及び有価証券の時価に相当する金額を合計した額と、当該証券会社が当該調達取引において当該証券金融会社又は当該母店証券会社等に担保として提供した買付有価証券の時価に相当する金額及び売付代金の金額を合計した額の差額が、毎日算出され、かつ、授受されることとされていること。
 契約により、当該証券金融会社又は当該母店証券会社等において、当該証券金融会社又は当該母店証券会社等が非調達取引に関して当該証券会社に対して有する債権(調達取引が母店証券会社等と行われる場合にあっては、当該母店証券会社等が当該顧客以外の顧客に係る調達取引に関して有する債権を含む。)を満足させることを目的として特定代用有価証券を担保処分しないこととされていること。
 証券会社から有価証券等清算取次ぎの委託を受けて当該証券会社から預託を受けた信用取引保証金代用有価証券を証券金融会社に提供する場合において、当該有価証券等清算取次ぎの受託者が、前項各号の要件のすべてを満たすときは、当該信用取引保証金代用有価証券の時価は、当該受託者に係る第1項に規定する有価証券の時価の算出に当たっては、当該有価証券の時価に算入しないものとする。
 第2項から第5項までの規定により控除することのできる額を顧客ごとに合計した額が、第1項及び第6項の規定により算出される当該顧客ごとの顧客分別金の額を超えるときは、第2項から第5項までの規定により控除することのできる額は当該顧客ごとの顧客分別金の額とする。

(顧客分別金信託の要件)
第5条  法第47条第3項に規定する信託(以下「顧客分別金信託」という。)について、証券会社は、次の各号に掲げる要件のすべてを満たさなければならない。
 顧客分別金信託に係る信託契約は、証券会社を委託者とし、信託会社又は信託業務を営む金融機関を受託者とし、かつ、当該証券会社の営む証券業に係る顧客を元本の受益者とすること。
 顧客分別金信託については信託管理人を設置することとし、証券会社が顧客分別金信託に係る信託契約を複数締結する場合には、これらの信託契約に係る信託管理人を同一の者とすること。
 証券会社が通知証券会社(法第79条の54に規定する通知証券会社をいう。以下同じ。)に該当することとなった場合は、投資者保護基金(当該証券会社が会員として加入している投資者保護基金に限る。以下同じ。)を信託管理人とすること。ただし、投資者保護基金が特に認める場合は、この限りでない。
 顧客分別金信託の信託財産に属する金銭の運用は、次の方法に限るものとすること。ただし、顧客分別金信託を信託業法(大正十一年法律第65号)第9条の規定により元本の補てんの契約をした金銭信託とする場合は、この限りでない。
 国債その他金融庁長官の指定する有価証券の保有
 金融庁長官の指定する銀行その他の金融機関への預金
 その他金融庁長官の定める方法
 顧客分別金信託が有価証券の信託である場合又は金銭と有価証券の包括信託である場合には、信託される有価証券は、国債その他の金融庁長官が指定する有価証券に限るものとすることとし、当該信託財産である有価証券につき貸付けによる運用を行わないものであること。
 顧客ごとの顧客分別金の額(顧客ごとに前条の規定により算定した顧客分別金の額をいう。以下同じ。)及び顧客分別金の必要額(顧客ごとの顧客分別金の額の合計額をいう。以下同じ。)は、証券会社において、毎日算出されるものであること。
 顧客分別金の必要額の差替えについては、週に一日以上、顧客分別金の必要額の差替えの基準となる日(以下「差替計算基準日」という。)を設け、当該差替計算基準日における信託財産の元本の評価額が顧客分別金の必要額に満たない場合は、当該差替計算基準日の翌日から起算して三営業日以内にその不足額に相当する額の信託財産が追加されるものであること。
 信託財産である有価証券の評価額は、差替計算基準日の時価により算出するものであること。ただし、顧客分別金信託が有価証券の信託である場合又は金銭と有価証券の包括信託である場合における信託された有価証券の評価額については、当該時価に金融庁長官が顧客分別金信託の元本の受益者である顧客の保護を確保することを考慮して定める率を乗じた額を上回らない額であること。
 前号の規定にかかわらず、顧客分別金信託が、信託業法第9条の規定により元本の補てんの契約をした金銭信託である場合は、信託財産の評価額は、当該金銭信託の元本金額とすること。
 顧客分別金信託に係る信託契約の解約又は一部の解約が行える場合は、次に掲げる場合とすること。この場合において、当該解約又は一部の解約に係る信託財産は、委託者である証券会社に帰属させることを妨げない。
 差替計算基準日の信託財産の元本の評価額が顧客分別金の必要額を超過する場合に、当該超過額に相当する金額の範囲内で信託契約の解約又は一部の解約を行おうとする場合
 募集等受入金(顧客から受け入れた売出し、募集若しくは売出しの取扱い若しくは私募の取扱いに係る株式、債券、投資信託の受益証券若しくは投資証券の申込証拠金又は払込金をいう。以下同じ。)の払込日に当該募集等受入金に係る顧客分別金の額に相当する額(当該額が、顧客分別金残余額を超える場合は当該顧客分別金残余額とする。)の範囲内で信託契約の解約又は一部解約を行おうとする場合
 顧客分別金の管理を他の信託契約に変更するために信託契約の解約又は一部解約を行おうとする場合
十一  証券会社が通知証券会社に該当することとなった場合には、当該証券会社は受託者に対して信託財産の運用の指図を行わないこと。ただし、投資者保護基金が特に認める場合は、この限りでない。
十二  信託契約に係る元本の受益権の行使は、信託管理人である投資者保護基金が必要と判断した場合に、当該投資者保護基金がすべての顧客について一括して行使するものであること。この場合において、当該信託契約は、その目的を達成したものとして終了することを妨げない。
十三  元本の受益者である各顧客に係る元本の受益権に相当する価額は、元本の受益権の行使時における顧客分別金信託の元本換価処分額に当該受益権の行使の日における顧客分別金の必要額に対する当該各顧客に係る顧客分別金の額の割合を乗じて得た額(当該額が当該各顧客に係る顧客分別金の額を超える場合には、当該顧客分別金の額とする。)とする。
十四  元本換価処分額のうち各顧客に係る元本の受益権に相当する価額の合計額を超える部分については、委託者たる証券会社に帰属するものとすること。
 前項第10号ロに規定する顧客分別金残余額とは、同号ロの規定により行う信託契約の解約又は一部解約に係る募集等受入金に係る顧客分別金の額の計算を行う日における信託財産の元本の評価額から顧客分別金の必要額(当該募集等受入金に係る顧客分別金の額を除く。)を差し引いた額をいう。
 第1項第13号及び第14号に規定する元本換価処分額とは、元本である信託財産を換価処分して得られる額又は当該元本である信託財産を換価処分した際に得られる価格として基金が合理的な方法により算定した額をいう。

(付随業務に係る分別保管)
第6条  法第34条第1項の規定による業務であって金融庁長官が指定するものに係る顧客との取引については、法第47条に規定する証券業に係る顧客との取引とみなして、法第47条及びこの府令の規定を適用する。

   附 則

 この命令は、金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律の施行の日(平成十年十二月一日)から施行する。
   附 則 (平成一二年六月二六日総理府令第65号) 抄

 この府令は、平成十二年七月一日から施行する。

   附 則 (平成一二年一〇月一〇日総理府令第116号)

 この府令は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第88号)の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。
 中央省庁等改革のための内閣関係政令等の整備に関する政令(平成十二年政令第303号)第93条の規定による改正前の企業会計審議会により公表された基準は、同条の規定による改正後の企業会計審議会により公表された基準とみなして、この府令による改正後の財務諸表等の監査証明に関する内閣府令第3条第3項、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第1条第2項、連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則第1条第2項、中間財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第1条第2項及び中間連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則第1条第2項の規定を適用する。

   附 則 (平成一二年一一月一七日総理府令第137号) 抄

(施行期日)
第1条  この府令は、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律(平成十二年法律第97号。以下「改正法」という。)の施行の日(平成十二年十一月三十日)から施行する。

   附 則 (平成一三年三月二六日内閣府令第18号)

 この府令は、書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律の施行の日(平成十三年四月一日)から施行する。
   附 則 (平成一三年三月二九日内閣府令第26号)

 この府令は、平成十三年四月一日から施行する。
   附 則 (平成一四年一二月六日内閣府令第77号)

 この府令は、平成十五年一月六日から施行する。
   附 則 (平成一六年一月三〇日内閣府令第3号) 抄

 この府令は、平成十六年四月一日から施行する。

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