第一款 株式会社から相互会社への組織変更(第68条―第84条)/保険業法


(平成七年六月七日法律第105号)

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最終改正:平成一五年八月一日法律第134号

(最終改正までの未施行法令)
平成十四年六月十二日法律第65号(未施行)
平成十五年五月三十日法律第54号(未施行)
平成十五年八月一日法律第134号(未施行)
 

  保険業法(昭和十四年法律第41号)の全部を改正する。


     第一款 株式会社から相互会社への組織変更

(組織変更)
第68条  保険業を営む株式会社は、その組織を変更して相互会社とすることができる。
 前項の組織変更(以下この款において「組織変更」という。)をする場合においては、組織変更後の相互会社の基金の総額を第6条第1項の政令で定める額以上の額とするため、基金を募集しなければならない。
 前項に規定する基金の総額の全部又は一部は、組織変更時において準備金を積み立てることにより、これに代えることができる。この場合においては、当該積み立てる額については、同項の基金の募集は、することを要しない。
 前項の準備金は、基金償却積立金とみなして、この法律(第56条を除く。)の規定を適用する。
 組織変更をする場合においては、第3項の準備金のほか、損失てん補準備金を積み立てることができる。

(組織変更計画書の承認)
第69条  株式会社は、組織変更をするには、組織変更計画書を作成して、株主総会の決議により、その承認を受けなければならない。
 前項の場合には、商法第343条(定款変更の決議の方法)に定める決議によらなければならない。
 株式会社は、第1項の決議を行う場合には、商法第232条第1項(招集の通知)の規定による通知において、組織変更計画書の要領を示さなければならない。
 株式会社は、組織変更計画書において、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 組織変更後の相互会社の基金の総額
 前条第3項の準備金及び同条第5項の損失てん補準備金の額
 株主に対する補償に関する事項
 組織変更後における保険契約者の権利に関する事項
 組織変更をする時期その他内閣府令で定める事項
 第1項の組織変更計画書については、これに記載すべき情報を記録した電磁的記録の作成をもって、同項の組織変更計画書の作成に代えることができる。この場合においては、当該電磁的記録は同項の組織変更計画書と、当該電磁的記録の記録は同項の組織変更計画書の記載とみなす。
 第1項の決議は、新株予約権又は新株予約権付社債を発行している場合において将来行使される可能性がある新株予約権があるときは、することができない。

(組織変更に係る書類の備置き等)
第69条の2  取締役(委員会等設置会社等にあっては、執行役)は、前条第1項の株主総会の会日の二週間前から組織変更の日後六月を経過する日まで、組織変更計画書その他の内閣府令で定める書類を各営業所に備え置かなければならない。
 前条第5項の規定は、前項の書類(組織変更計画書を除く。)について準用する。
 株主又は株式会社の保険契約者若しくは債権者は、その営業時間内に限り、次の各号に掲げる請求をすることができる。ただし、第2号又は第4号の請求をするには、株式会社の定める費用を支払わなければならない。
 第1項の書類の閲覧の請求
 第1項の書類の謄本又は抄本の交付の請求
 第1項の書類の作成に代えて電磁的記録の作成がされているときは、当該電磁的記録に記録された情報の内容を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
 前号の電磁的記録に記録された情報を電磁的方法であって内閣府令で定めるものにより提供すること又は当該情報の内容を記載した書面の交付の請求

(組織変更決議の公告等及び異議申立て)
第70条  株式会社が組織変更の決議を行ったときは、当該決議の日から二週間以内に、決議の内容及び貸借対照表その他内閣府令で定める事項を公告し、かつ、株主及び株主名簿に記載又は記録のある質権者に対して、決議の内容を各別に通知しなければならない。
 第17条第2項から第5項まで、第7項及び第11項並びに商法第100条(債権者の異議)の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、第17条第2項中「前項」とあるのは「第70条第1項」と、同条第4項中「第1項の資本の減少の決議」とあるのは「第69条第1項の承認の決議」と、同条第5項中「商法第376条第1項(資本の減少に関する債権者の異議)」とあるのは「第70条第2項において準用する商法第100条(債権者の異議)」と、同条第7項中「前各項」とあるのは「第70条第1項及び同条第2項において準用する第2項から第5項まで」と、「資本の減少」とあるのは「第68条第1項の組織変更」と、同条第11項中「前各項に定めるもののほか、第1項」とあるのは「第70条第1項並びに同条第2項において準用する第2項」と、「第7項」とあるのは「第7項に定めるもののほか、これら」と読み替えるものとする。
 保険契約に係る権利を有する者、第99条第3項に規定する保険金信託業務に係る金銭信託の受益者その他の政令で定める債権者に対する前項において準用する商法第100条第1項の催告は、することを要しない。
 信託業法(大正十一年法律第65号)第16条第2項(異議を述べた受益者)の規定は、第2項において準用する商法第100条の異議を述べた前項の金銭信託の受益者がいる場合について準用する。
 商法第376条第3項(資本減少の場合における社債権者の異議)の規定は、社債権者が第2項において準用する同法第100条の異議を述べようとする場合について準用する。

(組織変更手続中の契約)
第71条  株式会社が、前条第1項の公告をした日の翌日以後保険契約を締結しようとするときは、保険契約者になろうとする者に対して、組織変更の手続中である旨を通知し、その承諾を得なければならない。
 前項の承諾をした保険契約者は、次条から第76条までの規定の適用については、保険契約者でないものとみなす。

(保険契約者総会)
第72条  第70条第2項において準用する第17条第2項の期間内に異議を述べた保険契約者の数又はその者の第70条第2項において準用する第17条第4項の内閣府令で定める金額が同項に定める割合を超えなかったときは、当該会社の取締役は、第70条第2項において準用する商法第100条(債権者の異議)に定める手続が終了した後、遅滞なく、保険契約者総会を招集しなければならない。

(決議の方法等)
第73条  保険契約者は、保険契約者総会において、各々一個の議決権を有する。
 保険契約者総会の決議は、保険契約者の半数以上が出席し、その議決権の四分の三以上の多数により行う。
 商法第180条第3項(創立総会)及び第238条(検査役の選任)の規定は、保険契約者総会について準用する。この場合において、同法第180条第3項中「第232条第1項乃至第3項」とあるのは「第232条第1項本文、第2項及第3項」と、「乃至第239条ノ四、第241条第1項」とあるのは「、第239条ノ三」と、「、第247条」とあるのは「及第247条」と、「及第345条ノ規定」とあるのは「ノ規定」と、同法第238条中「監査役」とあるのは「監査役(委員会等設置会社ニ在リテハ監査委員会)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
 商法第224条第1項及び第3項(通知又は催告)の規定は、前項において準用する同法第180条第3項において準用する同法第232条第1項本文(招集の通知)の通知について準用する。この場合において、同法第224条第1項中「株主名簿ニ記載又ハ記録シタル株主ノ住所又ハ其ノ者」とあるのは「其ノ者」と、同条第3項中「前2項」とあるのは「第1項」と読み替えるものとする。

(取締役の報告)
第74条  取締役は、組織変更に関する事項を保険契約者総会に報告しなければならない。

(保険契約者総会の決議)
第75条  保険契約者総会においては、その決議により、定款その他相互会社の組織に必要な事項を定めるとともに、相互会社の取締役及び監査役となるべき者を選任しなければならない。
 第69条第1項の決議は、前項の決議により変更することができる。ただし、株式会社の債権者の利益を害することはできない。
 前項の変更が株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、株主総会の同意を得なければならない。この場合においては、第69条第2項の規定を準用する。
 前項の株主総会の同意が得られなかった場合は、第69条第1項の承認の決議は、その効力を失う。
 商法第187条第2項(招集の通知に記載のない事項の決議)の規定は、第1項の決議について準用する。

(保険契約者総代会)
第76条  株式会社は、第69条第1項の決議により、保険契約者総会に代わるべき機関として、保険契約者のうちから選出された総代により構成される機関(以下「保険契約者総代会」という。)を置くことができる。
 前項の決議においては、総代の定数、選出の方法その他の内閣府令で定める事項を定めなければならない。
 株式会社は、第1項の決議の日から二週間以内に、その決議の内容を公告しなければならない。
 第17条第2項から第4項までの規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同条第2項中「前項」とあるのは「第76条第3項」と、同条第4項中「第1項の資本の減少の決議」とあるのは「第76条第1項の保険契約者総代会を置く旨の決議」と読み替えるものとする。
 第44条第2項から第4項まで及び第72条から前条までの規定は、保険契約者総代会について準用する。この場合において、第44条第2項中「定款」とあるのは「第76条第1項の決議」と、同条第4項において準用する商法第239条第6項中「取締役」とあるのは「取締役(委員会等設置会社ニ在リテハ執行役)」と、第73条第3項において準用する同法第180条第3項中「第237条ノ四、第239条第2項第3項第5項乃至第7項」とあるのは「第237条ノ四」と読み替えるものとする。

(組織変更における基金の募集)
第77条  株式会社の取締役(委員会等設置会社にあっては、執行役。次項において同じ。)は、組織変更後の相互会社の基金について募集を要する場合には、その要する額について保険契約者総会又は保険契約者総代会が終結した後(第75条第3項の場合にあっては、同項の株主総会の同意が得られた後)、遅滞なく、その募集をしなければならない。
 前項の場合において、株式会社の取締役は、次に掲げる事項を記載した基金拠出申込証の用紙を作成しなければならない。
 第22条第2項第2号及び第4号から第6号までに掲げる事項
 基金の拠出に係る払込みを取り扱う銀行又は信託会社
 第23条第1項、第3項及び第4項の規定は、第1項の募集に係る基金の拠出について準用する。この場合において、同条第4項において準用する商法第175条第4項中「第23条第2項第3号」とあるのは「第77条第2項第2号」と、第23条第4項において準用する同法第189条第1項中「発起人又ハ取締役」とあるのは「株式会社ノ取締役若ハ執行役又ハ組織変更後ノ相互会社ノ取締役若ハ執行役」と、第23条第4項において準用する同法第192条第1項及び第2項中「発起人及会社成立当時ノ取締役」とあるのは「株式会社ノ取締役(委員会等設置会社ニ在リテハ組織変更ヲ為ス旨ノ議案ヲ取締役会ニ提出シタル執行役ヲ含ム)及組織変更当時ノ相互会社ノ取締役」と読み替えるものとする。
 第1項の規定による基金の募集のために必要な費用の額は、貸借対照表の資産の部に計上することができる。この場合においては、内閣府令で定めるところにより償却しなければならない。

(基金の募集後の保険契約者総会)
第78条  前条第1項の場合において、株式会社の取締役は、同項の募集に係る基金の総額の払込みがあった後、遅滞なく、第二回の保険契約者総会又は保険契約者総代会を招集しなければならない。
 相互会社の取締役及び監査役となるべき者は、前条第1項の募集に係る基金の総額についてその引受け及び払込みがあったかどうかを調査し、前項の保険契約者総会又は保険契約者総代会に報告しなければならない。
 商法第184条第3項(検査役の選任)の規定は、第1項の保険契約者総会又は保険契約者総代会について準用する。この場合において、同条第3項中「発起人」とあるのは、「株式会社ノ取締役又ハ執行役」と読み替えるものとする。

(組織変更の認可)
第79条  組織変更は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
 内閣総理大臣は、前項の認可の申請があった場合には、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
 組織変更後の相互会社が保険会社の業務を健全かつ効率的に遂行するに足りる財産的基礎を有すること。
 組織変更により、保険契約者の有する権利が害されるおそれがないこと。
 前2号に掲げるもののほか、組織変更により、保険会社の業務の健全な運営に支障を生ずるおそれがないこと。

(組織変更による入社)
第80条  株式会社の保険契約者は、組織変更により、組織変更後の相互会社に入社するものとする。

(組織変更の公告等)
第81条  組織変更後の相互会社は、組織変更の後、遅滞なく、組織変更が行われたこと及び内閣府令で定める事項を公告しなければならない。第70条第1項の公告をした株式会社が組織変更を行わないこととなったときも、同様とする。
 取締役(委員会等設置相互会社にあっては、執行役)は、組織変更の日から六月間、第70条第1項及び同条第2項において準用する第17条第2項から第4項までに規定する手続の経過その他の組織変更に関する事項として内閣府令で定める事項を記載した書類を各事務所に備え置かなければならない。
 第69条第5項及び第69条の2第3項の規定は、前項の書類について準用する。

(旧株式に関する質権)
第82条  商法第208条(質権の効力)並びに第209条第1項及び第2項(株式の登録質)の規定は、組織変更の場合について準用する。

(登記)
第83条  株式会社が組織変更を行ったときは、組織変更の日から本店又は主たる事務所の所在地においては二週間以内に、支店又は従たる事務所の所在地においては三週間以内に、組織変更前の株式会社については解散の登記を、組織変更後の相互会社については設立の登記をしなければならない。
 前項の規定による第27条第2項に定める登記の申請書には、第65条において準用する商業登記法第18条、第19条(申請書の添付書面)及び第79条(株式会社の添付書面の通則)に定める書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。
 組織変更計画書
 定款
 第70条第1項の公告をしたことを証する書面
 株主総会及び保険契約者総会(保険契約者総代会を設けたときは、保険契約者総代会)の議事録
 第70条第2項において準用する第17条第2項の期間内に異議を述べた保険契約者の数又はその者の第70条第2項において準用する第17条第4項の内閣府令で定める金額が、同項に定める割合を超えなかったことを証する書面
 第70条第2項において準用する商法第100条(債権者の異議)の規定による公告及び催告をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、その者に対し弁済し、若しくは担保を提供し、若しくは信託したこと又は組織変更をしてもその者を害するおそれがないことを証する書面
 相互会社の取締役、代表取締役及び監査役(当該相互会社が委員会等設置相互会社であるときは、取締役、第52条の3第2項において準用する商法特例法第21条の8第4項に規定する委員会を組織する取締役、執行役及び代表執行役)が就任を承諾したことを証する書面
 基金の募集をしたときは、基金の拠出の申込み及び引受けを証する書面
 基金の募集をしたときは、基金の拠出に係る払込みを取り扱った銀行又は信託会社の払込金の保管に関する証明書
 商業登記法第71条及び第73条(組織変更の登記)の規定は、第1項の場合について準用する。

(組織変更無効の訴え)
第84条  組織変更の無効は、主たる事務所の所在地において組織変更の日から六月以内に、訴えをもってのみ主張することができる。
 商法第88条(管轄裁判所)、第105条第2項から第4項まで、第106条、第108条、第109条(合併無効の訴え)、第249条(担保の提供)及び第415条第2項(提起権者)並びに非訟事件手続法第135条ノ六(設立無効の登記)及び第140条(裁判の謄本の添付)の規定は前項の訴えについて、商法第280条ノ十七第1項及び第280条ノ十八第1項(新株発行の無効の訴え)の規定は第77条第1項の基金の募集をした場合について、それぞれ準用する。この場合において、同法第249条第1項及び第415条第2項中「取締役」とあるのは「取締役、執行役」と読み替えるものとする。

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